先に結論
樹木葬は「自然な見た目」より、
遺骨の納め方と将来の扱いで選びます。
樹木葬は、一般墓より小さな区画や共同区画を使い、霊園・寺院が管理するため、墓石費用や将来の承継負担を抑えやすい選択肢です。家族がお参りする場所を残したい方にも合います。
ただし、「樹木葬」という名称だけでは、個別区画か共同区画か、骨壺のままか土へ還すのか、何年後に合祀されるかは分かりません。契約前に、①遺骨の状態、②個別期間、③合祀後の取り出し、④総額、⑤宗教条件を確認してください。
自然を感じられる場所で、管理負担を抑えたい。
合祀の有無・時期と更新条件の確認が必要です。
期限なし・13年・33年など希望を決める
迷うなら共同埋蔵の時期を確認する
一人・夫婦・家族・ペットで区画を選ぶ
管理料と契約者死亡後の扱いを確認する
4つを決めてから、写真ではなく現地と契約書で比較する
基本
樹木葬とは、樹木や草花を墓標とする「墓地」です
樹木葬は、墓石の代わり、または墓石を小さくして、樹木や草花を墓標・象徴とするお墓の総称です。日本では里山の自然を生かす形から始まりましたが、現在は都市部の寺院境内や霊園に設けられた庭園型・公園型など、形態が多様化しています。研究でも、都市型の樹木葬には共同型、個別型、一定期間後に共同埋蔵する小規模家族墓型などがあると整理されています。[4]
樹木葬は「散骨」ではありません。焼骨を土中や納骨施設へ納めるため、墓地として許可された区域で行います。木の根元ならどこへ埋めてもよいわけではなく、自宅の庭や許可のない山林へ勝手に埋めることはできません。
「永代供養付き」と「永遠に個別」は別の意味
樹木葬の多くは、寺院や霊園が家族に代わって管理・供養する「永代供養」を組み合わせています。しかし、永代供養は遺骨を永久に個別区画へ置くことを意味しません。一定期間後に共同埋蔵・合祀する契約も多くあります。
「永代」という言葉だけで安心せず、個別の状態がいつまで続くか、期間終了後にどこへ移るか、合祀後は名前を残せるかを確認します。横浜市の公営施設でも、樹木型はシンボルツリー周辺へ骨壺を納める方式で、共用献花台から参拝するなど、具体的な運用が定められています。[6]
「木のあるお墓」という景観の名称ではなく、墓地使用契約です。購入するのは土地そのものではなく、定められた条件で区画・施設を使用し、遺骨を納める権利と考えて契約内容を読みます。
法律
樹木葬は、許可を受けた墓地で行います
墓地、埋葬等に関する法律では、焼骨の埋蔵は墓地以外の区域で行ってはならないと定められています。[1]樹木の苗木を植える形でも、土や落ち葉をかける形でも、焼骨を土中へ納めるなら「埋蔵」に当たり、墓地としての許可が必要だと整理されています。[3]
契約前に「墓地の経営許可」を確認する
自治体が墓地として許可した施設か、経営主体は誰かを確認します。広告会社や紹介会社ではなく、契約書に記載される墓地経営者と管理者を見ます。寺院墓地では宗教法人、民営霊園では公益法人や宗教法人などが経営主体となり、販売・案内を別会社が担うことがあります。
いまあるお墓から移すなら「改葬」の確認が必要
すでに墓所や納骨堂へ納めた遺骨を別の墓地へ移すことを改葬といい、原則として現在の墓地がある市区町村から改葬許可を受けます。都立霊園の樹林墓地の手引でも、他の墓所・納骨堂から遺骨を移す場合は改葬許可が必要と明記されています。[5]
- 1
現在の墓地管理者へ相談遺骨の証明、墓所返還、墓石撤去の流れを確認。
- 2
新しい樹木葬から受入証明を取得名称は自治体・施設で異なります。
- 3
自治体へ改葬許可を申請必要書類と申請者を確認。
- 4
遺骨を取り出し、新しい墓地へ納骨墓石撤去と閉眼供養は別に調整。
手続きや必要書類は自治体・墓地により異なります。現在の墓地管理者、新しい樹木葬の管理者、自治体へ最新情報を確認してください。厚生労働省は墓地・埋葬等に関する案内を公開しています。[2]
種類
見た目の3タイプと、遺骨の3方式を分けて考えます
樹木葬の写真を見て「この雰囲気が好き」と思っても、埋葬方式や個別性が希望に合うとは限りません。まず景観のタイプを選び、次に遺骨をどう納めるかを確認します。
里山型
森林や里山の中既存の自然や地域植生を生かすタイプ。傾斜、足元、交通、管理方法を現地で確認します。
自然感:高い アクセス:要確認庭園・公園型
草花とシンボルツリー整備された園路と共用献花台などを備えます。個別プレートがある施設も多いタイプです。
自然感:中〜高 参拝:しやすい都市型
駅近・小規模区画限られた敷地を使い、小さな石碑や花壇を組み合わせます。交通利便性を重視する方に向きます。
自然感:施設差 アクセス:良好傾向遺骨の納め方は、主に個別・家族・共同の3方式
一人用区画
一人分の場所が分かる。プレートや銘板を設ける場合があります。
確認:個別期間と期間後夫婦・家族区画
2人以上を同じ区画へ納める。人数追加や最後の納骨時点の扱いを確認。
確認:収蔵数と追加納骨料合祀・合葬区画
シンボルツリーの周辺などへ共同で納める。費用を抑えやすい。
確認:取り出し不可の時点骨壺・袋・直接埋蔵でも「自然への還り方」が違う
| 納め方 | 特徴 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 骨壺のまま | 遺骨の形と個別性を保ちやすい | 材質、収蔵期間、結露、期間後 |
| 袋・容器へ移す | 土に還る素材を使う場合がある | 粉骨の有無、袋の材質、識別 |
| 土へ直接埋蔵 | 自然へ還る考えに近い | 後から取り出せるか、他の遺骨との境界 |
| 共同スペースへ | 多くの遺骨を一緒に納める | 合祀時期、立会い、氏名表示 |
都立霊園の公的な樹林墓地でも、粉状遺骨区分、共同埋蔵、氏名を刻む墓誌がないこと、納骨へ立ち会えないことなど、細かな条件が定められています。[5]同じ「樹木葬」でも条件は大きく違うため、契約書と使用規則を確認します。
費用
費用目安は20万〜80万円。人数と個別性で変わります
2026年7月に当相談所編集部が複数施設の公開料金を確認した範囲では、共同型は比較的低く、個別区画、夫婦・家族区画、都市部の利便性が高い施設ほど費用が上がる傾向がありました。公営施設には10万円台以下の例もあり、民営の家族区画では100万円を超える場合もあります。
上記は編集部による公開料金調査の目安で、全国一律の相場ではありません。横浜市の樹木型納骨施設は、使用料・管理料・永年使用など条件を明示しており、公営でも施設ごとに設定が異なります。[6]
見積書で分けて確認する費用
- 墓地・区画の使用料、永代供養料
- プレート、銘板、彫刻、デザインの費用
- 納骨作業料、粉骨・容器変更の費用
- 開眼供養、納骨法要、お布施の扱い
- 年間管理料、護持会費、将来分の一括管理料
- 追加で家族を納める場合の使用料・納骨料
- 個別期間を延長する場合の更新料
- 契約終了・返還時の原状回復費
管理料「不要」の範囲を確認する
管理料不要でも、納骨時の手数料、法要費、彫刻料、更新料まで無料とは限りません。生前契約では契約直後から管理料が発生するのか、契約者が亡くなった後に家族へ請求されるのかも確認します。
墓・葬儀サービスでは、契約後の費用や墓地返還をめぐる相談が国民生活センターへ寄せられています。[7]価格表、見積書、使用規則、契約書の四つを持ち帰り、口頭説明と同じ内容か照合してください。
「夫婦2人・個別13年・プレート込み・管理料・納骨2回・期間後は合祀」など同じ条件で、2〜3施設から総額を出してもらいます。初期費用だけでなく、最後の納骨が終わるまでの支払額で比べます。
判断
メリットとデメリットを、自分の優先順位に置き換えます
メリット
- 一般墓より初期費用を抑えやすい
- 墓石掃除や除草の負担を減らせる
- 承継者不要の契約を選べる
- 自然を感じる場所でお参りできる
- 一人・夫婦・家族など選択肢がある
- 宗旨・宗派不問の施設も多い
- 生前に自分の場所を確認できる
デメリット・注意点
- 合祀後は遺骨を取り出せない
- 自然に還るとは限らない
- 年間管理料・追加費用がある場合
- 樹木や草花を自由に選べないことが多い
- 共同参拝で個別区画へ入れない場合
- 交通が不便・坂道の施設もある
- 寺院独自の宗教条件がある場合
樹木葬が向いている人
- お参りできる場所は残したいが、墓石管理は減らしたい
- 自然や草花を感じられる環境を好む
- 承継者のいらないお墓を探している
- 将来の共同埋蔵・合祀へ納得できる
- 家族と契約条件を共有し、納骨手続きを頼める
慎重に考えたい人
- 遺骨を将来も個別に取り出せる状態で残したい
- 先祖代々の家墓として長く承継したい
- 自分専用の樹木を自由に植えたい
- 家族が従来型の墓石や個別参拝を強く望む
- 遠方・坂道などで将来のお参りが難しい
後悔防止
後悔の多くは、写真で見えない条件から生まれます
- 01個別墓だと思ったら、最初から共同だった
「個別プレートがある」と「遺骨が個別に分かれている」は別です。納骨室・容器・境界を図面で確認します。
- 0213年後に合祀されると知らなかった
期間の起算日が契約日、最初の納骨、最後の納骨のどれかで、夫婦の個別期間も変わります。
- 03管理費不要だが、納骨料が別だった
彫刻、法要、追加納骨、更新まで含む総額を確認します。任意のお布施か必須費用かも分けます。
- 04家族が区画の前まで入れなかった
共用献花台から参拝する施設もあります。納骨立会い、線香、花、飲食、開園時間を現地で確認します。
- 05好きな木を植えられると思っていた
シンボルツリーは共用で、植栽を管理者へ任せる施設が一般的です。枯れた場合の植え替え方針も聞きます。
- 06宗派不問でも、法要は寺院指定だった
入檀、護持会、指定僧侶、法要の回数など、契約後の宗教条件を確認します。
- 07将来、お参りに行けなくなった
現在の近さだけでなく、10年後の公共交通、坂道、休憩所、車いす、送迎の有無を見ます。
合祀は悪いことではなく、「納得せず合祀」が問題です
多くの方と同じ場所へ眠ることに安心を感じる方もいます。費用と管理負担を抑えられ、無縁になる心配を減らせる利点もあります。一方、合祀後に個別の遺骨を取り出せないことは、将来家族が改葬したい場合の制約になります。本人と家族が意味を理解し、共同埋蔵承諾書などを読んで選ぶことが大切です。
管理料の開始日
誰の納骨から数えるか
家族への連絡方法
取り出し・氏名表示
ケース別
「自分のため」「家族のため」「墓じまい後」では、確認の順番が違います
樹木葬を探す理由によって、優先すべき条件は変わります。本人が元気なうちに自分の場所を選ぶ場合は、希望を言葉にして家族へ引き継ぐことが中心です。亡くなった家族の納骨先を探す場合は、期限のある手続きや親族の納得にも配慮します。墓じまい後の遺骨を移す場合は、受け入れ人数、改葬許可、遺骨の状態が重要です。
以下は、特定の施設を勧める事例ではなく、判断の進め方を示したモデルケースです。年齢、家族関係、宗教観、予算は人によって異なります。自分に近いケースを入口にして、最後は契約書と現地で確かめてください。
子どもへお墓の管理を残したくない、70代の一人暮らし
「子どもは遠方に住んでいる。自分が亡くなった後に墓石を建てたり、毎年管理料を払ったりさせたくない」と考え、承継者不要の樹木葬を検討するケースです。本人は緑のある場所を希望していますが、実際に納骨手続きをするのは子どもです。この場合、景観や価格より先に、契約者が亡くなったことを誰が施設へ知らせるのか、火葬後の遺骨を誰が持参するのか、必要書類をどこへ保管するのかを決めます。
「承継者不要」は、家族が何もしなくても自動的に納骨されるという意味ではありません。死亡の連絡、納骨日の予約、使用許可証の提出、費用の精算などを家族や遺言執行者へ頼む必要がある契約もあります。家族へ負担を残したくないなら、契約時に納骨手続きの代行範囲、死後事務委任との連携可否、追加費用を確認します。口頭で希望を伝えるだけでなく、施設名、区画番号、連絡先、契約書の保管場所を一枚にまとめておくと引き継ぎやすくなります。
生前契約では、管理料が契約日から始まるのか、納骨後から始まるのかも重要です。本人が20年、30年と元気に暮らした場合、納骨前の管理料が積み上がる可能性があります。反対に、契約時に将来分を一括で払う施設なら、運営主体が長期間どのように管理を続けるかを確認します。本人の希望だけで決めず、子どもと一緒に一度現地へ行き、通いやすさと納骨手続きを共有できれば、家族の心理的な負担も減らせます。
- 優先する条件:承継不要の具体的な範囲、死後の連絡・納骨担当、管理料の開始日
- 家族と決めること:契約書の保管場所、納骨の立会い、合祀時期への同意
- 避けたい決め方:「子どもに迷惑をかけない」という広告文だけで手続き不要と思い込む
母のお参り場所は残したいが、一般墓の承継は難しい家族
母が亡くなり、子どもたちはそれぞれ別の地域で暮らしているものの、「散骨だけでは寂しい。時々会いに行ける場所がほしい」と考えるケースです。本人の明確な希望が残っていないと、家族は費用、宗教観、距離のどれを優先するか迷います。まず、母が生前に話していたこと、既存の宗教・菩提寺との関係、親族がお参りに期待する形を整理します。全員の価値観を完全に一致させるより、反対理由を具体的に聞くことが大切です。
例えば「合祀はかわいそう」という反対には、最初から共同埋蔵する区画と、一定期間個別に保つ区画があることを説明します。「樹木葬ではお参りできない」という心配には、個別プレートの前へ行ける施設と共用献花台から参拝する施設を分けて比較します。言葉の印象で話し合うと対立しやすいため、候補施設の図面、個別期間、参拝方法、見積書を同じ表にして見せます。母の誕生日や命日に誰が訪れるかを想像すると、交通の優先順位も決めやすくなります。
葬儀後すぐに契約を急ぐ必要がない場合、遺骨を一時的に自宅や納骨施設で保管し、家族が落ち着いてから見学する方法もあります。ただし、地域の慣習や寺院との関係、納骨までの保管状態は確認してください。期限を決めず先延ばしにすると、誰が決めるか曖昧になるため、「四十九日までに資料を集め、百か日までに二施設を見る」など家族内の目安を置くと進みます。契約名義人、費用負担、将来の連絡先もその場で決めます。
- 優先する条件:家族が通える場所、個別に手を合わせられる期間、親族の宗教的な納得
- 家族と決めること:契約名義、費用分担、命日のお参り、期間終了後の合祀
- 避けたい決め方:悲しみが強い時期に、一人だけで即日契約する
先祖の遺骨が複数あり、管理負担を減らしたい夫婦
遠方にある代々のお墓を維持できず、墓じまいして樹木葬へ移したいケースです。新しい区画の価格だけでなく、現在のお墓の確認、親族への説明、改葬許可、遺骨の取り出し、墓石撤去、新しい施設への納骨までを一つの計画として考えます。まず現在の墓地管理者へ相談し、納められている遺骨の人数、氏名、骨壺の大きさ、墓地使用者の名義を確認します。古いお墓では、記録と実際の骨壺数が一致しないこともあるため、受け入れ先を契約する前に人数の上限へ余裕を持たせます。
樹木葬は一人または二人向けの料金表示が多く、先祖の遺骨を何柱も納めると追加費用が増える場合があります。古い遺骨を共同区画へ、本人夫婦を個別区画へ納めるなど、同じ施設内で方法を分けられることもあります。この場合、先祖と本人夫婦の参拝場所が同じか、費用と使用許可証が別になるか、将来の個別期間がいつ終わるかを確認します。遺骨の乾燥、洗浄、粉骨、容器変更を求められる施設では、それぞれの必要性と料金を書面で受け取ります。
墓じまいは、遺骨の移動だけではありません。現在の墓地を更地にして返還する工事、寺院への相談、閉眼供養、親族間の合意などが伴います。離檀料やお布施は契約上の費用と宗教上の慣習を分け、分からない請求は内訳と根拠を落ち着いて確認します。自治体への改葬許可申請は、現在の墓地所在地を管轄する市区町村へ最新の様式を確認してください。新しい樹木葬の受入証明が必要になることもあるため、工事日を先に決めず、書類の順番を管理者同士へ確認します。
- 優先する条件:受入人数、骨壺・粉骨の条件、改葬許可に必要な書類、総事業費
- 家族と決めること:先祖と本人の納め方、親族への説明、現在の墓地返還後の参拝先
- 避けたい決め方:新しい樹木葬だけを先に契約し、既存墓地の人数や手続きを後で確認する
家族の反対は「樹木葬が嫌」ではなく、失いたくないものを聞く
家族が反対するときは、樹木葬そのものより、「遺骨を取り出せなくなるのが怖い」「個別に手を合わせる場所がほしい」「親戚へ説明できない」「先祖と離したくない」など具体的な不安が隠れていることがあります。「今どきの供養だから」と説得するのではなく、何を失うと感じているかを一つずつ聞きます。個別期間を長くする、同じ霊園内の永代供養墓も見る、遺骨の一部を手元供養に残すなど、条件を組み替える余地が見つかることがあります。
話し合いでは、結論を急ぐより、変えられない条件と変えられる条件を分けます。合祀後に遺骨を戻せないことは変えられませんが、合祀までの期間、区画の種類、参拝方法、施設までの距離は選べます。本人の意思を尊重しつつ、実際に手続きを担い、お参りする家族が理解できる形にすることが、後悔を減らす現実的な進め方です。
比較
樹木葬・海洋散骨・永代供養墓・納骨堂を比較
「管理負担を減らしたい」という目的は同じでも、お参りの場所、遺骨の個別性、天候、費用が違います。樹木葬だけを見て決めず、家族が大切にする条件で比較します。
| 比較項目 | 樹木葬 | 海洋散骨 | 永代供養墓 | 納骨堂 |
|---|---|---|---|---|
| お参りの場所 | ある | 固定されない | ある | ある |
| 自然の感じ | 高い傾向 | 海へ還す | 施設による | 屋内中心 |
| 遺骨の個別性 | 個別期間・共同 | 残らない | 個別期間・合祀 | 個別期間あり |
| 天候の影響 | 参拝時にあり | 実施日に大きい | 屋外ならあり | 少ない |
| 承継 | 不要が多い | 不要 | 不要が多い | 施設による |
| 変更のしやすさ | 合祀前まで確認 | 実施後不可 | 合祀前まで確認 | 契約期間中は確認 |
希望から、合う供養を約3分で整理。
お参り、管理負担、個別性、予算を順に確認します。
流れ
情報収集から納骨後までの一般的な流れ
- 1家族で希望を整理する
誰が入るか、個別期間、お参り、予算、宗教条件、ペット共葬の希望を決めます。
- 2通える範囲で2〜3施設を探す
現在の住所だけでなく、家族の居住地と10年後の交通も考えます。自治体の公営墓地も確認します。
- 3資料と見積もりを取り寄せる
同じ人数・個別期間・彫刻・納骨回数で、総額と将来費用を比較します。
- 4家族と現地見学する
写真と実際の区画、参拝方法、駅や駐車場からの動線、管理状態を確認します。
- 5契約書・規則を持ち帰る
その場で即決せず、個別期間、合祀、解約、宗教条件、管理料を家族で読みます。
- 6申し込み・支払い・名義登録
使用許可証、契約書、領収書を保管し、納骨を担当する家族へ場所を共有します。
- 7納骨日と必要書類を調整する
火葬許可証または改葬許可証、遺骨、印鑑など施設指定の持ち物を確認します。
- 8納骨・法要を行う
家族が立ち会える範囲、読経の有無、供花、服装、雨天時の対応を確認します。
- 9契約情報を家族へ引き継ぐ
管理者の連絡先、管理料、個別期間終了日、住所変更届、合祀前の連絡方法を共有します。
現地見学
春の写真だけで決めず、雨の日と将来の動線を想像する
樹木葬は景観が大きな魅力ですが、広告写真は花が咲く季節や整備直後に撮影されることがあります。落葉期、雨天後、雑草が伸びる時期も含め、年間の管理方針を確認します。

駅、バス本数、駐車場、送迎、タクシー
坂、階段、砂利、雨天、車いす動線
区画前か共用献花台か、線香・花
除草、剪定、枯木、清掃、休園日
トイレ、休憩所、水場、日陰
将来の開発、災害リスク、管理事務所
できれば家族と一緒に見学する
本人にとって心地よい場所でも、将来お参りする家族には遠すぎることがあります。家族と一緒に、公共交通で実際に移動し、参拝後に休める場所まで確認してください。高齢者がいる場合は、管理事務所へ車いすや送迎の有無を聞きます。
スタッフへ埋葬場所を図で説明してもらう
地上のプレートと、地下で遺骨がどのように分かれているかは同じではありません。骨壺・袋・直接埋蔵、区画の境界、共同埋蔵先、取り出し可能な期間を図面や模型で確認します。説明を撮影・録音する場合は許可を取り、重要事項は書面にも記載してもらいます。
契約前
契約書は「いま」より「最後」を重点的に読みます
樹木葬は契約から納骨、家族の追加納骨、個別期間終了、合祀まで長い時間が流れます。契約者本人が説明を覚えていても、手続きする家族へ伝わらなければ行き違いが生じます。

契約前に確認したい20項目
✓墓地の経営許可と経営主体
✓販売会社と管理者の関係
✓区画の位置と使用範囲
✓骨壺・袋・直接埋蔵の別
✓遺骨ごとの境界と識別方法
✓個別埋蔵期間と起算日
✓期間終了前の家族への連絡
✓個別期間の更新可否と料金
✓合祀・共同埋蔵の場所
✓合祀後の取り出し可否
✓使用料・永代供養料の総額
✓彫刻・プレートの追加費用
✓納骨料・法要費・お布施
✓年間管理料・護持会費
✓家族を追加する費用と人数
✓生前契約後の費用開始日
✓解約・返金・区画変更条件
✓宗旨宗派・入檀・指定法要
✓ペット共葬の具体的な方法
✓運営継続・閉鎖時の対応
運営の信頼性を見る5つの視点
注意したい説明
- 「永久に安心」だけ
個別期間、合祀、運営者変更、施設閉鎖時の扱いが書面にない。
- 「すべて込み」だけ
彫刻、納骨、法要、管理料、追加家族の内訳を出さない。
- 「宗派不問」だけ
契約後の入檀、法要、僧侶、お布施、会費を説明しない。
- 「今日なら割引」
規則を持ち帰らせず、家族の相談前に契約を急がせる。
- 「自然に還る」だけ
骨壺・袋・コンクリート区画など実際の埋蔵方法を見せない。
使用許可証、使用規則、料金表、見積書、領収書、区画図、担当窓口、個別期間終了日を一つのファイルにまとめます。本人だけでなく、将来納骨する家族が分かる場所に置いてください。
FAQ
樹木葬のよくある質問
埋葬方法、承継、家族、宗教、墓じまいまで、契約前によく出る疑問をまとめました。
樹木葬とは、遺骨を木の根元へ直接撒く方法ですか?+
必ずしもそうではありません。骨壺のまま納める、布袋へ移す、粉骨して埋蔵するなど施設ごとに異なります。日本の樹木葬は許可を受けた墓地内で焼骨を埋蔵するお墓であり、散骨とは別です。
樹木葬は本当に管理費がかかりませんか?+
管理料不要の施設もありますが、年間管理料、契約期間分の一括管理料、会費などが必要な施設もあります。価格表示だけで判断せず、誰がいつまで支払い、契約者が亡くなった後はどうなるか確認してください。
樹木葬なら承継者は不要ですか?+
承継不要を掲げる施設が多い一方、個別区画の使用中は連絡先となる家族や管理料の支払者を求めることがあります。『承継不要』と『家族の手続きが一切不要』は同じではありません。
遺骨は後から取り出せますか?+
個別の骨壺で保管されている期間は取り出せる場合がありますが、土へ直接埋蔵した後や、他の遺骨と共同埋蔵・合祀した後は、個別に取り出せないのが一般的です。契約前に期限と取り出し条件を確認します。
樹木葬でもお墓参りできますか?+
多くの施設で参拝できます。ただし、個別区画の前まで入れる施設、共用の献花台から参拝する施設、納骨に立ち会えない施設などがあります。開園時間、供花・線香のルールも異なります。
樹木葬はペットと一緒に入れますか?+
ペット共葬区画を設ける施設はありますが、すべてではありません。人と同じ区画へ入れるのか、隣接区画なのか、先にペットだけ納骨できるか、追加費用も確認してください。
夫婦や家族で同じ区画に入れますか?+
夫婦用・家族用区画がある施設では可能です。ただし、収蔵人数、最後の方を納骨してからの個別期間、追加納骨料、生前契約者の変更条件を確認します。
宗教や宗派を問わず申し込めますか?+
宗旨・宗派不問の施設は多いものの、寺院墓地では入檀、指定宗派の儀礼、法要依頼、護持会費などの条件がある場合があります。『過去の宗派不問』と『契約後も宗教条件なし』は別なので確認が必要です。
生前に申し込めますか?+
生前申込に対応する施設は多くあります。契約後から管理料が発生するか、納骨前の解約・返金、使用者変更、家族への引き継ぎ、将来の追加費用を確認してください。
樹木や草花が枯れたらどうなりますか?+
シンボルツリーや植栽は墓地管理者が管理するのが一般的ですが、植え替え方針や保証は施設ごとに異なります。自分専用の木だと思っていたら共用木だった、自由に植栽できなかったということもあるため確認します。
墓じまいした遺骨を樹木葬へ移せますか?+
受け入れ可能な施設はあります。現在のお墓から遺骨を移す場合は、原則として自治体の改葬許可が必要です。墓地管理者、現在の墓地がある自治体、新しい樹木葬の管理者へ順に確認してください。
樹木葬と永代供養墓は何が違いますか?+
樹木葬は樹木や草花を墓標・象徴とする墓地形態、永代供養は寺院や霊園が家族に代わって供養・管理する仕組みです。永代供養付きの樹木葬は多いですが、言葉の意味は別です。
まとめ
「緑がきれい」で決めず、合祀後まで納得できる場所を選ぶ
樹木葬は、自然を感じながらお参りでき、承継負担を抑えやすい魅力的な選択肢です。しかし、名称や写真だけでは、遺骨の状態、個別期間、費用、宗教条件は分かりません。
- 1
誰と、何年個別に入りたいか決める一人・夫婦・家族、期限なし・期限付きから整理。
- 2
合祀後に取り出せないことを確認本人だけでなく家族も契約の意味を理解する。
- 3
総額と将来費用を比較する管理料、納骨、法要、追加家族、更新まで確認。
- 4
家族と現地を歩く10年後も通える交通・足元・設備・管理を見る。
- 5
契約書を持ち帰る口頭説明を使用規則と照合し、家族へ引き継ぐ。
SOURCES
参考文献
本文中の[数字]は以下の文献に対応します。すべて2026年7月16日に閲覧・確認しました。
- [1]e-Gov法令検索.「墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)」.https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048(アクセス日:2026年7月16日).
- [2]厚生労働省.「墓地・埋葬等のページ」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123872.html(アクセス日:2026年7月16日).
- [3]公益社団法人全国墓地経営者協会.「いわゆる『樹木葬型墓地』に関する問題点の整理」.2013.https://www.zenbokyo.or.jp/H25houkokusho/4-2buntankenkyu-jumokuso.pdf(アクセス日:2026年7月16日).資料種別:墓地経営者団体の調査研究報告
- [4]上田裕文.「樹木葬墓地の近年の動向と形態変化に関する研究」.『ランドスケープ研究』85巻5号,pp.551–554,2022.DOI: 10.5632/jila.85.551(アクセス日:2026年7月16日).
- [5]公益財団法人東京都公園協会.『都立霊園 樹林型合葬埋蔵施設 使用の手引』.2025.https://www.tokyo-park.or.jp/reien/06_4_Jurin_Guide_2025.pdf(アクセス日:2026年7月16日).
- [6]横浜市.「メモリアルグリーンのご案内」.https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/saijo/shieibochi/memorialgreen.html(アクセス日:2026年7月16日).
- [7]独立行政法人国民生活センター.「墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)」.https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/sougi.html(アクセス日:2026年7月16日).
この記事の調査・編集方針
当サイトには広告が含まれますが、報酬額だけで供養方法や施設をおすすめしません。樹木葬の利点だけでなく、個別期間、合祀後の取り出し、管理料、宗教条件、運営継続まで判断材料を掲載しています。
法令、厚生労働省、自治体・公営霊園の利用規則、査読論文、国民生活センターを優先して確認しました。費用は公的な全国統計ではないため、2026年7月時点の編集部調査として区別しています。
本文中に[1]形式で出典番号を示し、記事末尾に著者・機関名、資料名、発行年、URL、アクセス日を記載しています。一次情報が確認できない事項は断定せず、施設ごとの差を明示します。
法令・料金・募集条件・使用規則は変更される場合があります。契約前に自治体、墓地管理者、各施設の最新情報をご確認ください。
SOURCES
参考文献
本文中の[数字]は以下の資料に対応します。法令・制度・契約条件は変更される可能性があるため、各公式ページの閲覧日を併記しています。
- [1]e-Gov法令検索.「墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)」.https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048(アクセス日:2026-07-17)
- [2]厚生労働省.「墓地・埋葬等のページ」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123872.html(アクセス日:2026-07-17)
- [3]公益社団法人全国墓地経営者協会.「いわゆる『樹木葬型墓地』に関する問題点の整理」.https://www.zenbokyo.or.jp/H25houkokusho/4-2buntankenkyu-jumokuso.pdf(アクセス日:2026-07-17)
- [4]上田裕文.「樹木葬墓地の近年の動向と形態変化に関する研究」.https://doi.org/10.5632/jila.85.551(アクセス日:2026-07-17)
- [5]公益財団法人東京都公園協会.「『都立霊園 樹林型合葬埋蔵施設 使用の手引』」.https://www.tokyo-park.or.jp/reien/06_4_Jurin_Guide_2025.pdf(アクセス日:2026-07-17)
- [6]横浜市.「メモリアルグリーンのご案内」.https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/saijo/shieibochi/memorialgreen.html(アクセス日:2026-07-17)
- [7]独立行政法人国民生活センター.「墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)」.https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/sougi.html(アクセス日:2026-07-17)
本記事は一般的な情報であり、個別の法的助言ではありません。個別の判断が必要な場合は、自治体、墓地管理者、弁護士、行政書士、消費生活センター等へご相談ください。
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